任意整理の対象にならない借金はありますか?

1社のみならず、2社以上から借り入れをしている「多重債務者」が多いのが現実です。

世間一般的な消費者金融に代表される貸金業者以外にも、住宅ローンや車のローン、さらには携帯電話機の購入時における分割払いの仕組みを提供している会社も貸金業に該当します。

キャッシュで一括払いを選択する方よりも、高額な商品や契約毎においては割賦払いを選択する人がほとんどという事を考えますと、貸金業とは身近な存在ですよね。

任意整理の対象にならない借金の種類

A さん
お金が無いし、絶対に支払う必要がある請求に対しても払えないんだから任意整理する事くらいできるんでしょ?
DEBT博士
任意整理の対象は債務ですが、いくら債務者を保護する仕組みとは言え、日本に住んでいる以上は「免責を得る事ができない」あるいは「保証人・連帯保証人を問わず必ず支払うもの」が存在します。
任意整理の対象にならない借金の種類
租税債権道義的な債権
租税債権👉税金社保国保国民年金
道義的な債権👉罰金養育費損害賠償闇金

租税債権は任意整理の対象にはならない

税金や社会保険料(健康保険、介護保険、年金保険、雇用保険、労災保険)、国民健康保険料、国民年金保険料・・・

義務教育を経て選挙権を得る年齢に差し掛かれば、だいたいの人は社会という荒野(?)に放たれるわけですが、収入を得るために働いても収入に対して課せられる支出が発生します。

租税債権は国民一人一人に課せられる債権ですから、これを誰かに立て替えてもらう事自体が可笑しな話であり、保証人・連帯保証人とは異なる「納税保証人」という制度があります。

特に税金は、我国の社会福祉やインフラ環境に投じられる重要な予算となる訳です。

お金を持っている人から徴収すれば良いという単純な仕組みでは無く、公共サービスを利用する全ての人々に平等に課税される項目についてまで任意整理の対象にしてしまうと、国は元より地方自治体の財政危機に陥ってしまいます。

貴方の代わりに支払ってくれる人のことですが、勝手に納税保証人を決めたりする事は出来ませんよ!!(参考にどうぞ:[手続名]納税の猶予等に係る担保の提供手続(保証人))

道義的な債権は任意整理の対象にはならない

  • 養育費や扶養の債権
  • 養育費や扶養の債権は、離婚問題に関わる事で非常に重要ですが、平成17年までの破産法では任意整理の対象として認められていました。

    同年の法改正により、今現在は「破産手続開始決定まで」の養育費や扶養に関する債権は免責の対象とはなりませんのでご注意ください。

    これを支払う側からすると生活費を圧迫しますが、請求する側も支払ってもらわなければ生活に支障を来す事もあるでしょう。

  • 人の生命又は身体を害する、不法行為・侵害行為
  • 📕破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権(破産法第253条1項2号)
    📗破産者が故意または重過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(破産法第253条1項3号)

    上記は破産法の条項になりますが、いくら任意整理をしなければならない状況だからと言って、このような自身の過失によって負わなければならない債権までは任意整理の対象とはなりません。

    ⚠️しかし、「悪意」と「故意」の違いによって債権の扱いが異なります。

    漢字を比較するだけでも悪意の方が良くない事と想像できると思いますが、ご察しの通り、悪い事を確信して行動する事を意味しますので、故意として判断される場合には、不法行為・侵害行為としても免責が認められる事があります。

    これは被害を受けた方からするとたまったものではありませんが、被害者から見れば重大な過失として認めるように請求をしても、裁判所の判断で悪意と判断される基準が高いと言われています。

任意整理しない方が良い借金の種類

任意整理の対象とすると、
日々の生活環境に影響を与える可能性がある債権一覧
🏠 住宅ローン
抵当権を実行され、ローンを提供している相手方より差し押さえられる可能性があります。
🚗 自動車ローン
住宅ローンと一緒です。中古車として売られてる車の中にも、債権回収の為に現金化されている事があります。
💳 クレジットカード
ショッピング枠とキャッシング枠がありますが、ショッピング枠の事を指します。生活費の引き落としに使っている方は、現金払いに切り替える必要がありますし、高価な品物を割賦払いで返済中の方は、没収の対象になる事も。
👬 保証人付債権
任意整理した事によって、保証人に対して請求の矛先が向きます。保証人も支払いが難しいという事であれば、保証人も債務整理する必要が迫りますので話し合いが必要です。

任意整理では、全ての債権を手続きする必要は無く、相手方を選択できるというメリットがあります。

借金問題解決の為に、特にこれらの資産等についても処分をされる事ももちろん選択肢ですよ!
DEBT博士
特に資産や生活に関わる品物やサービスに対する債権については、任意整理の対象としてしまうと影響が大きいために、上記の債権を抱えている方はよく考えた上で、司法書士・弁護士に相談をするようにしましょう。

任意整理しても減額幅が見込め無い借金があります

任意整理は単純に債務を減額してもらう約束を取り付ける事ですが、近年は低金利でサービスを提供している貸金業者が数多くあります。

特に教育に関わるローンは有名ですね。

ところによっては無利子で提供されている場合も珍しくはありませんが、低金利でも無利子でも債務である事は変わりませんし、奨学金の返済についてワイドショーで取り上げられるなど、話題になっています。

このような借金問題について悩む方もいらっしゃると思いますが、低金利・無利子の債務の場合ですと利息制限法に基づいた引き直し計算の減額幅が少ないだけでなく、司法書士・弁護士に相談する事での費用や経費等により、逆に高く付く可能性が高いのです。

上記の可能性が高い借金の種類は2つです。

  • 低金利&無利子のローン
  • 完済が近い借金

逆に法定利息を超えた高金利の借金は「闇金業者」ですから、元金や利息を支払う必要はありませんが、元金は返金する事が道義的な判断で選択される事が多いと、取材先の事務所様よりいただいています。

A さん
完済が近い借金に任意整理が効果的では無いと判断されるのであれば、返済期間が短い借金なら効果絶大という事ですよね?
DEBT博士
将来支払う利息の観点からすると、合っています・・・が、任意整理は法律による強制力が無い以上、明らかに返済期間が短すぎる債務者に対しては応じない姿勢である事が一般的です。

しかし、可能性としては0%ではありませんので、交渉権を持つ司法書士・弁護士事務所の腕の見せどころと言えそうです。

多重債務を抱えている方は要注意!債権者平等の原則について

任意整理に関わらず全ての債務整理方法は、「債権者平等の原則」に基づきます。

これは法律で特定した表現で記述はしてない原則ですが、債権者が平等である事は民法の当然の前提です。

債権者平等の原則

配当の順位は、破産債権間においては次に掲げる順位に、第1号の優先的破産債権間においては民法、商法、その他の法律に規定する優先順位による(破産法第194条第1項)。
  • 優先的破産債権
  • 一般の破産債権(第1号、第3号及び第4号に掲げるもの以外の破産債権)
  • 劣後的破産債権
  • 約定劣後破産債権

同一順位において配当をすべき破産債権については、それぞれその債権の額の割合に応じて、配当をする(破産法第194条第2項)。

難しいですね・・・要約します。

例えば・・・1人の債務者に対して、2人以上の債権者が居た場合

貸し出している期間や借り入れ日の前後に関わらず、債権者は平等に扱われるだけでなく、債券額の大小で判断する事無く、債券額に応じて平等に弁済されるというイメージ。
3人から合わせて100万円を借りていた場合
債務者(´・ω・`)さん(100万円の債務者)
自己破産・・・(´・ω・`)さんの所持金は10万円!!
債権者(ノω・、)さん 50万円(´・ω・`;)さん 30万円(o´_`o) 20万円
配当金5万円3万円2万円

上記の表を見る限り、全ての債務者は債券額に応じて平等に弁済をされている事が分かります。

任意整理は手続きの対象を選択できる事を数多くの比較サイトでメリットの一つとして紹介されますが、低金利&無利子のローンでは無い限りは、本来の目的である借金問題解決の為には、まとめて手続きをする事が現実的です。

債権者を選択するという状況にある方は、少なくとも2社以上から借り入れをしている=多重債務者という事になりますが、各社の借り入れ金額の状況や残債務額が同じである事はないでしょう。

また、任意整理をする事によって信用情報機関への事故記録は不可避と考えるべきであり、どちらかを減額しておいて片方からは借金をできる状態にする事を目論んでも無理があります。

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任意整理の対象にならない借金はありますか?
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任意整理の対象にならない借金や,対象にしない方が良い借金等。
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