今回の記事では、おまとめローンと債務整理を比較検討している方、おまとめローンを選択候補として入れている方に向けた記事の内容となっています。
おまとめローンと債務整理のメリット比較表 | ||
---|---|---|
おまとめローン | 債務整理 | |
債権者の数が…? | 1社に減らせる | 数は変わらない |
利息は…? | 減らせることが可 | 遅延損害金を含め、 将来利息はカット |
債務総額は…? | 引き直し計算しないで債務を一本化 一本化に伴う諸費用が増えるので減らない | 各種方法があるが 基本的に減らせる |
おまとめローンのメリットは3つ
そもそも債権者の数が1社では、まとめられませんよね。
多重債務者という深刻な状況にある方にとって、「便利なサービス」として比較サイトでは以下のメリットがあると紹介されています。
-
多重債務者から「多重」が取れて、債務者に変わる
-
金利を下げることができる
-
債務総額を減らせる可能性がある
複数の借り入れを抱えている方しかわからないでしょう…複数の債権者から請求されることは、その金額に関わらずプレッシャーがかかるもの。
おまとめローンを利用し、残存債務を立て替えてもらうことにより、債権者をひとつにまとめることができます。
おまとめローンを利用することで、1債権者に対する債務総額が膨れ上がります。
利息制限法に借入額に応じた上限金利が設定されているのですが、債務総額が大きくなるほど上限金利は下がっていくもの。
おまとめローンのために通常の融資と比較して低金利で提供されていることも、多重債務者から見ると嬉しいメリットと言えます。
おまとめローンを利用すると諸費用がかかると紹介されることがありますが、その手数料は金利に含まれていたり、貸金業者によって無料・有料に分かれるものの、有料でも数千円程度の費用で済みます。
一部で諸費用が高いと紹介するサイトがありますが、住宅ローンの借り換えローンと混濁している様子。
正規の貸金業者による手続きであれば、高額の手数料を求められることはありませんのでご安心ください。
それでも、もともと存在していた数ある債務をまとめているだけなので、元金が減ることはありません。
おまとめローンのデメリットも3つ
おまとめローンと債務整理のデメリット比較表 | |
---|---|
おまとめローン | 債務整理 |
必ずしも債務総額が減る保証は無い | 信用情報機関に債務整理の記録 |
審査があるので必ず利用できるとは言えない | 経済状況により希望する方法以外の手段となる可能性 |
「債権者が変わる=新たな契約」 貸金業者の審査による判断で、 担保・保証人を求められることも | 取るべき方法によっては財産の処分 債務整理の1つ、自己破産の場合、 100万円未満までの現金の所持は認められる |
詳しくは、サイト内別記事のこちら:債務整理のデメリットをどうぞ。
-
必ずしも債務総額が減る保証は無い
-
審査があるので必ず利用できるとは言えない
-
担保・保証人を求められることも
債権者を1社にすることはできても、金利の変動幅が少ないと債務総額の減少には繋がりません。
しかし、多額の債務を抱えている方にとって1%・2%の違いは大きく感じるはずですが、ここで注意が必要です。
おまとめローンを提供する貸金業者は、たとえ過払い金請求ができる債務に対しても、引き直し計算をすることなく立て替えるために、返還されるべきお金や減額の機会を逃してしまう可能性があります。
多重債務者であれば誰でも利用ができるワケもありません。
債権者の立場から察すると、利息の回収が利益に結びつく構図ですから、雇用形態はどうであれ固定収入の有無・おまとめローンの前に債務整理をしていないかなど、通常の借り入れと同じ要領で審査が行われるからです。
お金に関する保証人は、原則「連帯保証人」として認識してください。
審査が通ったとはいえ、担保・保証人をつけることが求められることは、なにも特殊な対応ではありません。
債務者が返済できなくなった時の回収を見込むことは、金銭消費貸借契約ではむしろ自然なことです。
おまとめローンは貸金業者の広告文と金利に要注意
正規の貸金業者による「おまとめローン」とはいえ、多重債務者から債務者に変わったものの、結局返済を続けていく生活に変わりはありません。
毎月の負担を軽くすることで、返済を続けていくことができればもちろん有効的な方法かと思いますが、おまとめローンをしたものの返済を継続することができなければ無意味です。
おまとめローンを利用するために貸金業者を比較することよりも、まずは債務整理とおまとめローンの可能性について考えるべきです。
その上で、「おまとめローンを選択される方に注目していただきたい要点」として、広告文と金利の2つだけは貸金業者同士を比較しましょう。
-
広告文
-
金利
おまとめローンにあたっては、やはりできるだけ条件のいいところで申し込みをしたいと思うもの。
しかし、利用者の理想をすべて叶えるような条件、たとえば「ブラックリストOK」「他社で断られた方もOK」「無職OK」「生活保護受給者OK」…こういった謳い文句を堂々と出している業者というのは、公式サイトではない比較サイトで紹介されている場合も避けたほうがいいでしょう。
金利が安くなって、月々の返済も楽に、債務総額も減ることが理想ですね。
しかし、「金利が変わらない・あるいは増えてもまとめられるならそれでいい」という人も、利用する十分な理由の1つになるでしょう。
何に対して評価するのかは当事者の判断と責任が伴います。
債務整理をすることも、おまとめローンを利用することも、どちらにも一長一短・メリットとデメリットは存在します。
そのため、多重債務の解決方法としてどちらが自分にとって最適なのかを判断する必要があります。
おまとめローンを利用した後の債務整理はさらなる費用の発生につながり、債務整理後のおまとめローンは少なくとも直近で利用することはできません。
どちらか決めかねている方は、一度認定司法書士・弁護士にご相談されることがもっとも損をしない手順です。

