強制執行とは?-差し押さえの仕組みと手続きについて-

強制執行とは?-差し押さえの仕組みと手続きについて-

そもそも強制執行とは何か?

強制執行とは、4つの執行をまとめた総称であり、差し押さえの対象となる財産の種類によって名称が異なります。

強制執行とは、4つの執行をまとめた総称
不動産執行
  • 土地

  • 建物
準不動産執行
  • 船舶

  • 自動車

  • 航空機
動産執行
  • 貴金属・宝石

  • 時計

  • 有価証券
債権執行
  • 預金

  • 給与
DEBT博士
債権者は、差し押さえた財産を競売等で現金化することにより、債権を回収するという目的があることを債務者は忘れがちです。

裁判所・書記官の国家権力を得て、債務者の財産を債権者が差し押さえることができます。

債務者にとっては予見できない内容であり、公的な書類に書かれる文章は馴染みの無い難しい言葉ばかりが並びますね。

すべては契約によってお互いに決めたルールをまっとうしなかった、つまり債務の返済を履行していないのですから、一方的に債務者を保護するのではなく、債権者も債権の回収を図ることができるのです。

債権者の立場から考えよう!回収するための最終手段が「強制執行」

強制執行に必要なものは3つ

A さん
債権者の気分を損ねたら強制執行されるの?債権者が裁判所・裁判官に言えば、簡単に執行ができるようになってしまうの?
DEBT博士
法律に関わる公的な手続きですから、意思を示しただけでは簡単に執行が行われることはありません。

画像に示されているように、3つの書類が無ければ認められるものではありません。

  1. 執行することに対する原因や理由
  2. 理由を書した公的な書類
  3. これを執行する相手に対して通知したことを証明する書類

が、それぞれ備わっていなければならないのです。

法律上では両者の言い分を平等に聴取し、判断する機会を認めている

たしかに滞納を続けていることは決してよい事で無いのですが、債権者が債務者に対して通知することによって、債務者の防御・反論や意見を提起する機会が与えられています。

下記に、その3つの書類について解説した上で、記事の最後に競売に至るまでの過程をご紹介します。

DEBT博士
債権者がどのような仕組みで強制執行をするのかを知っておくと、債務者としての置かれた立場が明確になるでしょう。

債務名義

債務名義と呼ばれるものをまとめました
判決確定しているもの
仮執行宣言付きの判決確定していないけど、仮執行が許可された判決
支払督促・仮執行宣言仮執行宣言の申し立て
執行証書金銭取引だけ強制執行の対象
仲裁判断・執行決定執行決定を裁判所に求めることで執行
和解調書調書が取れていれば執行可能
認諾調書調書が取れていれば執行可能
調停調書調書が取れていれば執行可能

債権者と債務者の間柄を公的に証明する書類のことであり、具体的には「債権があること」・「その金額」が記述されます。

執行する理由があることを証明する公的な書類です。

たとえば…
「AさんはBさんに100万円支払いなさい」という、裁判所が債務者に命ずる給付判決が確定している必要があります。

判決正本が手元に来てから2週間以内に控訴・上告しなければ、強制執行は確定となります。

上記の表にあるように、判決や調書の総称をまとめて債務名義と言い、理由無くして強制執行されることは無いと理解してください。

判決が確定していなくても、仮に執行することができる
裁判の判決を持って確定することが一般的に知られていますが、その中で仮執行宣言が付属していれば、これも立派な債務名義となります。
判決の確定を待たずに、債権者は債務者に対して強制執行することが国家権力の元で認められているのです。

公証役場で作成された金銭消費貸借契約書または借用証書の中で、債務者が債務の履行をしない時について強制執行を受けることに同意する旨が記載されている場合についても、同様に債務名義としての効力があります。

DEBT博士
執行する理由として足りるものであれば債務名義として認められていることがわかります。ただし強制執行を受ける方それぞれで債務名義は異なりますので、必ず専門家に相談し確認をしましょう。

執行文

執行文種類は3つ
単純執行文通常の執行文
承継執行文当事者が変わった場合の執行文
条件成就執行文条件付きの債務内容である場合

債務名義の効力を証明するための書類、より簡易に表現しますと、「強制執行ができることの証明書」を執行文と言います。

具体的には債権者が申し立てた時に、債務名義の効力を確認してもらう意味がありますので、執行文付与と言われることがあります。

60万円以下の係争額については少額訴訟と呼ばれ、裁判手続き上において迅速な処理を求められる内容である場合には、執行文は不要です。
仮執行宣言付きの判決についても、判決を待たずに強制執行できるのですから執行文は不要ですね。
A さん
債務名義(理由付け)があれば簡単に強制執行されるんじゃないの?
DEBT博士
これだけでは効力の証明にはならない場合があります。たとえば、名前や社名が変更されれば債務名義に記載されている事実と異なります。他にも債務者がお亡くなりになり、親族の方々が債務の相続をした場合についても同様です。

送達証明

送達証明

第二九条(債務名義等の送達)
強制執行は、債務名義又は確定により債務名義となるべき裁判の正本又は謄本が、あらかじめ、又は同時に、債務者に送達されたときに限り、開始することができる。第二十七条の規定により執行文が付与された場合においては、執行文及び同条の規定により債権者が提出した文書の謄本も、あらかじめ、又は同時に、送達されなければならない。

民事執行法で、債権者が債務者に対して送達することが決められています。

今現在、差し押さえを受けてしまっている方であっても、必ず通達を受けた上で執行が開始されているはずです。

DEBT博士
これについて抗弁する準備やその対策を検討する機会が与えられています。この段階で債務整理を専門家に依頼することは可能ですが、より早く相談するべきであると考えることが適切です。
債務者であっても法律の元では平等に両者の主張をできる機会がありますが、「ただ支払いたくない」・「自分が悪いけど嫌だ」という屁理屈は通用しませんので、真摯に受け止めましょう。

強制執行の競売に至るまでの過程

強制執行の競売に至るまでの過程

強制執行はある日突然に訪れるものではありません。

強制執行の送達が届くまでに、下記のような出来事があったはずです。

  • 支払督促が郵送されて来ても、支払いができない
  • 少額訴訟等を提訴され、確定された判決が出ているのに支払いができない
  • 債権者の提訴に対して裁判所に出頭しない、無視をする
知らないフリをしていても知らぬところで手続きが進められ、ご自身に通知が来るときには時すでに遅し
A さん
無い物は無い!強制執行をどうにか回避できないの?逃れることはできませんか?
DEBT博士
債務整理の中で、特定調停・個人民事再生・自己破産のように裁判所を介する方法であれば、裁判所・裁判官の判断で一時的に執行停止が認められることがあります。

ただし、任意整理においては裁判所を介さない債務整理の方法ですから、任意整理をすることで執行停止になることは基本的にありません。

  • 任意整理でも回収が見込めない
  • 債務者の支払い原資が担保できない

など、複雑な利害関係があります。

お金は無くても財産はあるから差し押さえを受けてしまうのですが、不動産執行については高額な評価額であることから、とくに慎重な手続きが行われます。

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強制執行とは?差し押さえの仕組みと手続きについて解説します。
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