抵当権・根抵当権の仕組みを知っておこう!

不動産をお持ちの方にとって、債務整理をすることは悩みの深さと言いますか、財産の無い場合の債務整理よりも不安のタネは増えてしまいがちです。

  • 財産を持っているか持っていないかで、取るべき方法が異なる
  • 本当は嫌だけど財産を処分しなければならない
  • 処分するのであれば高く現金化したい

ここでは、債務者の立場でありながら債権者がもつ権利を知ることで、どんな手続きが行われているのか関心を持っていただくキッカケになればと思い、担保の代表的な権利である抵当権・根抵当権についてわかりやすくご紹介します。

ただ単純に債権者に支払い・弁済をするだけでなく、住宅ローン等の信用取引にもとづく借入を行なっていれば金融機関との関係があります。
税金の支払いも滞っている状況であれば、税務署とも立派な利害関係が発生しているのです。
DEBT博士
1つの不動産を巡っては、債権者と債務者という単純な図式では済まされず、先ほど挙げた金融機関・税務署も、債権者であることに変わりがないからです。

抵当権とは?

抵当権とは?(住宅ローン編)
債権者(・∀・)
「審査OK貸しましょう」

「返済が滞った時のために、抵当権を設定することで貸しますよ」

貸出

返済
債務者(⌒-⌒; )
「住宅ローン組みたいの」

「審査通った!!頑張って支払い切るぞ!!」
とくにわかりやすいのが住宅ローンに関する抵当権で、対象となる不動産に抵当権を設定し、ローンの提供を行なっていることが多い。すでに抵当権が設定されている不動産に対しては、ローンが通りにくいのが一般的。
返済が滞った時に考えられる、互いの対処方法については…
⏬⏬⏬⏬⏬⏬⏬⏬⏬⏬⏬⏬⏬⏬
債権者(・∀・)
「お金が無い相手にどうやって債権回収したらいいの…」

  • 支払督促

  • 差し押さえ

  • 抵当権の行使など



⇨督促に応じない場合には、抵当権・債務者としての担保権を用いた法的手続き
→→
催促
←←
滞納
債務者(⌒-⌒; )
「お金がありません!」

  • 債務整理

  • 任意売却

  • 代位弁済など



⇨住み続けたいのであれば「個人再生」
⇨より高く売却して返済にあてたいのなら「任意売却」
⇨放置していると「競売」
⇨税金の滞納があれば「公売」も
対象となる不動産に抵当権を設定しておくと、優先的に配当を受けられる権利が認められる。※税金の滞納をしている場合には、登記した日に関わらず「税の法定納期限」が優先される。

抵当権とは、債務者の不動産(土地・建物)に設定される権利のことです。

質屋さんに品物を鑑定してもらい、質草に入れて評価額の範囲内で融資を受けることができる「質権」がありますが、抵当権・質権も同じ担保に入ります。
DEBT博士
担保権の1つが抵当権であり、不動産に対して設定することができる担保権として理解しましょう。

債権者は債務者に対してお金を貸し、これに金利を乗せて返済をすることが債務者としての義務がありますが、これが正しく履行されない場合には貸したままになってしまいます。

今現在、債務者である方も債権者の立場を考えてみましょう。
貸した相手はお金が無いから、いくら返済を迫っても返してくれる見込みがありませんし、何か別な方法で債権の回収を図りたいと考えませんか?

このような状況になったとしても不動産に対して抵当権を設定することによって、その不動産を支配下に置きつつ、現金化した際に優先的に配当を得ることができることから、担保の女王とも言われます。

抵当権がもつ効力とは?

  1. 優先弁済権
  2. 優先して弁済を受けることができる権利があります。
    たとえば、住宅ローンの支払いが滞っている場合には、他の支払いについても返済ができなくなっている可能性が十分に考えられ、住宅ローンを貸し付けた債権者以外にも債権者がいることが想定できます。

    DEBT博士
    この時、対象の不動産を競売に掛けた上で換価された代金は、抵当権を設定していた住宅ローンの債権者に対する弁済が優先されるのです。
  3. 物上代位
  4. 先ほど、不動産に対する担保権が抵当権であることを記述しましたが、不動産に代わる金銭に対しても抵当権の効力をもつことができます。
    ここでも一例を挙げます。
    抵当権を設定していた建築物が火災により焼失してしまった場合には、抵当権まで焼失してしまうのでしょうか?
    火災保険に債務者が加入していた場合には、保険金が支払われます。

    DEBT博士
    抵当権が設定されていると、この保険金に対しても抵当権を差し押さえることができるという物上代位が認められているのです。

抵当権は1つと限らない、抵当権には順位が存在します

抵当権は1つと限らない、抵当権には順位が存在します

1つの不動産に対して抵当権は1つでなければダメということはありませんし、もちろん設定されていない不動産もあれば、1つだけ設定されていることもあります。

もし不動産をお持ちであれば、土地の権利書・家の権利書とも俗称がある不動産の権利書、具体的には不動産の登記済証に抵当権の実態が記載されていますので、自分で確認することが可能です。

実際に2つ以上の権利が設定されていることは珍しい話ではなく、競売によって得られた代金は債務者が行うのではなく、裁判所が主導して配当します。

抵当権の順位は金額によって優先されるものではない
金額の大小によって順位が前後することはなく、登記した時系列が基準となりますので、いわゆる早い者勝ちという仕組みです。
DEBT博士
見出しの画像の場合について、Bの残債権である1000万円は配当されることはありませんでした。しかし、無担保の債権という形で残りますので、債務が無くなることはありません。

根抵当権とは?

根抵当権とは?
抵当権根抵当権
借入可能額決められている上限金額の範囲内は何度でも取引できる
債権の返済返済額と返済日が指定される返済額と返済日は指定されない
債権の移転債務者の承諾が要らない債務者の承諾が要る
(元本が確定する必要がある)
連帯債務者認められる認められるけど一般的でない

根抵当権も、債務者の不動産(土地・建物)に設定される権利のことです。

根抵当権で設定された不動産は担保物権とみなすことでき、一方の抵当権は特定された被担保債権と言います。

抵当権の場合では、債権の完済によって抵当権が消滅するものであり、簡単に言えば住宅ローンの為に5,000万借りたら5,000万返せばチャラですよね。

根抵当権の債権は、対象の不動産に対して極度額(上限金額)が決められるもので、その範囲内であれば借入を自由に、不特定多数の目的でも借金をすることができる仕組みがあります。

たとえ借入額が0円、つまり完済されても根抵当権は消滅しません。
一度完済を経ても、また借入することが見込める・継続な取引が機能しますので、債務者からすれば自由度が高い使い方ができるのです。(まるでクレジットカードみたいですね)
一方の債権者も、債務者の債権を一括することができる利点があります。
DEBT博士
最近、金融機関が「リバースモーゲージ」という老後のための資金調達策を広告しているものをご覧になったことはありませんか?これこそまさに根抵当権による金融商品です。

民法-第三九八条の二(根抵当権)
抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。

根抵当権がもつ効力とは?

  1. 根抵当権は「被担保債権の範囲」が担保の枠
  2. 根抵当権はどんな債権でも担保できる訳ではありません。
    前述した債権は不動産に権利を設定した場合について例を挙げましたが、売掛金債権についても設定することが可能です。
    この場合、継続的売買契約に関する基本契約書を作成し、対象となる期間の債権を被担保債権として登記がされます。

    DEBT博士
    ※債権の内容:被担保債権の範囲・極度額(上限金額)が登記される内容です。
  3. 元本の確定後は、抵当権と同様の扱いになる
  4. 継続的取引における債権について、極度額の範囲内まで担保する権利ですが、一度元本が確定すると確定後に発生した債権は担保されない状況になるのです。

    たとえば、1,000万円の貸付金のうち500万円を返済済み、残りの500万円について債権のみが担保となることを元本の確定と言います。
    確定された債権について元本と利息を支払いすることは、抵当権と同じ考え方ができますよね。
    DEBT博士
    元本が確定する状況とは、「債務整理」・「競売の申し立てがあった場合」・「破産開始決定」などのように、債権額・債務額を確定する必要がある場合が考えられます。

担保権が実行されることと、強制競売との違いとは?

担保権が実行されることと、強制競売との違い
債権回収
担保権の実行強制競売
  • 抵当権

  • 根抵当権

  • 質権

  • 仮登記担保権など
  • 判決

  • 調停調書

  • 和解調書

  • 執行証書など
抵当権・根抵当権による担保権が実行されること、そして強制競売も同じで債権回収が目的です。
A さん
担保権者はどうやって債権を回収するの?まさか取り立てに来たりする事はある?
DEBT博士
強制競売と同様に、担保権者は不動産競売を利用することが可能です。裁判所の配当が行われますので、取り立てられる必要がありません。

国家権力による債権回収が強制競売であり、担保権の実行は必要な証明書が出揃っていれば、債務名義・執行文・送達証明を伴わないことから、比較的容易に債権回収をすることができます。

被担保債権の存在が存在していなければ、抵当権は有効でありません。

担保権は第三者への対抗要件に過ぎず、未登記・仮登記の担保権に対してはより強力な公正証書、つまり判決が求められるという背景があります。

強制競売を準用した手続きが、担保権の実行による債権回収であるということです。

債務名義を前提とした債権回収…強制競売
担保権の優先弁済権による債権回収…担保権の実行
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抵当権・根抵当権の仕組みを知っておこう!
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