小規模個人再生と給与所得者等再生の違いとは?【個人民事再生】

債務整理の一つである個人民事再生は、債務者の経済環境によって2、①小規模個人再生と②給与所得者等再生のいずれかに振り分けられます。

個人民事再生を行う事のメリットやデメリット、大まかな概要につきましては個人民事再生とは?で解説しています。

※当記事は、小規模個人再生と給与所得者等再生のそれぞれをより掘り下げた内容です。通常の民事再生は別記事にてご紹介をしますが、今回は個人再生向けのお話になります。

個人民事再生は債務整理の一つ、さらに2つの種類がある

民事再生
個人再生(個人向け)民事再生
🔽🔽・住宅ローン除く債務額
・5000万円以上
小規模個人再生給与所得者等再生

上記の画像をご覧いただきますように、司法書士・弁護士事務所に相談される前の段階で、小規模個人再生と給与所得者等再生のどちらに該当するか判断する事ができます。

住宅ローンを除いた債務額が5000万円を超えますと、法人を主な対象としている通常の民事再生手続きは利用可能です。(個人でも通常の民事再生手続きは可能)

個人再生とは民事再生の個人向けに簡略された手続きの事を指しており、債務整理の一環として請け負っている事から、事務所のホームページや比較サイト上では個人再生の事を中心に情報発信されています。

いずれに分類されても同じ個人民事再生であり、任意整理や特定調停と同じく手続き後も完済を目指して返済を続ける債務整理方法です。

その為に、収入が無い無職、専業主婦は相談に応じてもらえるとしても、手続きの受任については断られてしまう事がオチになってしまうでしょう。

小規模個人再生と給与所得者等再生の利用条件を比較

認可要件の難易度を比較
小規模個人再生給与所得者等再生
難しい容易
債権者である議決権者の投票が・・・
有り無し

一番最初に掲載した画像の中で、振り分けられる要素として「収入」が肝になっている事をご紹介しました。

つまり、手続きされている方の年収が同じでも、職業や職種、雇用形態等により違いが発生するということです。

給与所得者等再生の中で「給与」という言葉が使われているように、こちらは会社員や年金受給者、公務員の様に収入が安定していて、変動幅が小さい経済環境にある方が手続きをされています。

これは、収入の見込みがある事で返済計画が立てやすく、何よりも継続して収入がある事をある意味保証されている事から、小規模個人再生には必要な議決権者の投票が不要である事からも、比較的容易に再生手続きが可能と言われています。

その一方で、収入の見込みが無い方や、「先月は50万円の収入だったけど、今月は20万円」という具合に、毎月の収入が不安定な業種である自営業,個人事業主,農家の方々は、給与とは異なる稼ぎ方であるということですね。

DEBT博士
※毎月の収入が安定しているといっても、自営業の方も公務員の方も、その保証はどこにも有りません・・・仕事に従事している事で「継続的な収入を見込める」と判断されます。

この為、債権者から小規模個人再生の是非を問う投票が行われるだけでなく、より綿密な返済計画を作成する必要性がある事からも、小規模個人再生は給与所得者等再生よりも利用条件は難しいのです。

小規模個人再生と給与所得者等再生で共通している事とは?

振り分けられる要素として重要な要素は「収入」の仕組みですから、それ以外の利用条件には違いがありません。

最初の診断画像をまとめると、下記の6つが共通項目として集約されます。

  • 法人では無くて、個人である事
  • 再生手続きをしないと、今後の返済が難しい
  • 住宅ローンを除く債務総額が5000万円以下である事
  • 継続的な収入があって、今後も見込める
  • 個人再生手続き後も、返済を続ける事ができる
  • 債務総額から見た最低返済額の基準
  • 最低返済額の基準となる債務総額
    Q.借金の総額が・・・A.最低返済額は・・・
    100万円未満です。全額です。
    100万円から500万円未満です。100万円以上です。
    500万円から1500万円未満です。総額の5分の1以上です。
    1500万円から3000万円以下です。300万円以上です。
    3000万円から5000万円以下です。総額の10分の1以上です。

小規模個人再生成立後の支払い条件とは?

現金や預貯金以外の財産
🏡 不動産🚗 自動車❤️ 保険の解約金💹 有価証券
💷 小切手👨 特許権🐴 家畜💎 宝石
👋 退職金の8分の1👋 退職金の4分の1
(近々決定している場合に限る)
などなど...

小規模個人再生は「債務総額から見た最低返済額の基準」もしくは「財産の評価額」のうち金額の高い方が返済の総額になります。

「債務総額から見た最低返済額の基準」は共通項目として、掲載した表の通りです。

財産の評価額につきましては、文字通り現金や預貯金を含む、現金化する事が可能な資産を指します。

小規模個人再生の一例
(´・ω・`)さん(´∵`)さん
💰 財産価値💸 負債総額💰 財産価値💸 負債総額
150万円1000万円150万500万円
(´・ω・`)債務総額から見た最低返済額の基準(´∵`)債務総額から見た最低返済額の基準
150万円200万円150万円100万円
返済総額は200万円返済総額は150万円

ここでいう財産とは、現金に換えた時の清算価値を示すもので、購入した時の金額では無い事はご理解されているとは思います。

個人民事再生を相談される前に、ご自身で売却等を模索される事と思いますが、適正な価格よりも安く買い叩かれる事がありますので、司法書士・弁護士事務所にお任せした方が賢明です。

給与所得者等再生は、可処分所得が重要

給与所得者等再生は、「債務総額から見た最低返済額の基準」と「財産の評価額」による返済総額の算出方法に加え、「可処分所得の2年分」を加えた3つの中で、もっとも高額な金額を支払います。

DEBT博士
可処分所得とは、収入から税金・社会保険料・最低生活費を除いた金額のことです。
給与所得者等再生の一例
(´・ω・`)さん
💰 財産価値💸 負債総額💵 可処分所得2年分
150万円1000万円500万円
(´・ω・`)債務総額から見た最低返済額の基準(´・ω・`)
150万円200万円500万
返済総額は500万円
給与所得者でも、小規模個人再生を選択する事は可能です。

どちらにしても、「債務総額」とこれから下記に紹介する幾つかの「返済額決定の算出方法」のうち、もっとも高い金額が個人民事再生後の返済すべき債務総額になります。

どちらを選択すべきかは債務者の返済状況に寄るところが大きい為、ご相談の上で決定される事がオススメです。

個人民事再生(小規模個人再生,給与所得者等再生)を断られる場合もある

債務整理(任意整理,個人民事再生,自己破産,特定調停)は、司法書士・弁護士事務所に相談を申し込みしたら絶対に手続きをしなければならないという強制力と、逆に相談されたから絶対に受任しなければならない義務は有りません。

DEBT博士
繰り返しになりますが、個人民事再生はあくまで返済を続ける事ができる方であると判断されて成立をするものです。

つまり、専門家から見ても個人民事再生の適用条件では無いと判断されれば、「うちではムリ」と拒否されてしまう可能性があります。

  • 事務所自体が債務整理を扱っていない
  • 債務者の素性等について信用する事が難しいと判断される
  • 返済の為の支払い原資が少なく、債権者との交渉が難しい場合
  • 残債務によって個人民事再生では借金問題が解決が難しいと判断される場合(自己破産の提案)

任意整理を司法書士,弁護士から断られるより

とくに住宅や車、保険など、比較的価値のある資産を残しつつ債務整理をしたい方にオススメされている個人民事再生ですが、それ故に依頼者の要望通りにならない事があります。

たとえば、前述したようになかなか個人民事再生を受任してくれないということもありますし、返済を続けられている状況であれば個人民事再生をする必要が無いと判断される事も珍しくはありません。

返済を続ける事は辛い事ですが、手続きをしなければ返済が困難であるという判断が客観的に存在しなければ、裁判所・債権者も認めるはずが無いからです。

また、「資産を処分したくないけど債務整理はしたい」という状況にある方では、より減額幅が大きくてすべての財産について処分をする必要がある自己破産を提案される事もあります。

内容が内容だけに、依頼者である貴方の心情を逆撫でするような言葉を言われるかもしれません。

しかし、よく考えてみてください・・・個人民事再生が出来もしないのに、依頼者のご機嫌を損ねないように話を聞く事が、本当によい司法書士・弁護士事務所とは限らないのではないでしょうか?
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小規模個人再生と給与所得者等再生の違いとは?【個人民事再生】
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小規模個人再生と給与所得者等再生の違いとは?【個人民事再生】
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小規模個人再生と給与所得者等再生の違いの詳しくご紹介します。
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